こんにちは!ayakaです。
先日、国立新美術館で開催中の「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ー 人は人をどう表現してきたか」を観に行ってきました。
今回はその内容や見どころについて感想を交えつつ、混雑状況や所要時間、グッズ情報などについても書いていきますね。
▼開催概要や、鑑賞前後に行ける周辺のカフェ情報は以前書いたこちらの記事をどうぞ!
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目次
ルーブル美術館展2018の音声ガイドが高橋一生?周辺のカフェ情報も
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「ルーヴル美術館展 肖像芸術ー人は人をどう表現してきたか」感想・見どころ
肖像画の役割
今でこそ手軽に好きなだけ写真を撮って残せる時代になったけれど、カメラやスマホなんてない時代は人の顔を表現する手段は限られていて、ひとつひとつに特別な思いを込めて作られていました。
どんな思いが込められていたのか。
時代と共にその思いや役割、そして表現方法も移り変わっていきました。
それを紐解いていったのが今回のルーヴル美術館展です!
作品は5つのテーマに分けて展示されていました。
5つのテーマはこちら。
・プロローグ 肖像の起源
・第1章 記憶のための肖像
・第2章 権力の顔
・第3章 コードとモード
・エピローグ アルチンボルドー肖像の遊びと変容
わたしが思う、それぞれの見どころをご紹介します!
プロローグ 肖像の起源
肖像の起源は古代エジプトから。
死者の棺にマスクを飾ったことが始まりでした。
こちらのマスク、亡くなった人の顔そっくりに作ったわけじゃなくて、来世を生きるための理想の顔が表現されているんだって。
今で言うならお葬式の遺影を似ても似つかない超美女にしてもらえる・・・ということですね?
おもしろいなぁ。
第1章 記憶のための肖像
「人の存在を記憶する」という、肖像の基本的かつ最も古いテーマで制作された古代から19世紀までの肖像作品が集います。
この章でわたしが印象的だった作品はこちら。
「狩りの女神ディアナとして表された若い娘の肖像」
150~170年頃の作品ということなので、今から1800年以上も前の作品です。
そんな作品がほぼ完璧な状態で残っているのもすごいことですが、1800年以上も前に大理石をこんなふうに精密に彫刻する技術がすでにあったことにも驚きです。
生気すら感じさせる肌のなめらかさや、布のたっぷりした表現とかすごくないですか!?
ぜひ生で観ていただきたい!
この作品は、若くして亡くなった女性の葬礼肖像です。
処女神であった女神ディアナをかたどったことで、故人に永遠の純潔を授けようとしているんだそうですよ。
女神として永遠に残すなんて、この像を作らせた人の故人に対する深い愛情が伝わってくるようですね。
第2章 権力の顔
「記憶」と並び、肖像芸術が担ってきたもうひとつの大きな役割が「権力を示す」ことでした。
古代のアレクサンドロス大王やハンムラビ王から、近代のナポレオンや王族・権力者に至るまでさまざまな作品があり、「権力」と「肖像」には長い歴史があることを感じられましたね。
自身の肖像を彫刻や絵画のみならず、貨幣やメダル、カメオなど持ち運ばれる媒体にも表すことで権力を広く知らしめたそうです。その展示もありました。
この章での注目は、やはり4作品も展示があるナポレオンですかね。
上の「アルコレ橋のボナパルト」がこの展覧会の目玉作品のひとつになっていますが、
わたしとしては「戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像」という彫刻作品が印象深かったです。
まずとにかく大きい!絶対実物より大きい。
どれだけ大きな大理石から削り出しているのでしょうか?
そして見るべきはやはりこの造形の細やかさですね。
わりと近かったのに、この衣装、本物の布かな?とまじまじと見ちゃいましたし。
よーく見ると、マントはミツバチ柄。
当時のフランス王家が代々ユリの紋章だったのに対し、ナポレオンはミツバチをモチーフに使うことで反フランス王政の意思を示したのだとも言われているそうです。
この作品を観れば、こんな彫像を作らせるナポレオンは偉大だ・・・!と当時の人々と同じように感じることができるでしょう。
音声ガイドには、ナポレオンを讃えるために作曲されたというベートーヴェンの「交響曲第3番 変ホ長調 『英雄』」という音楽のみのトラックが入っていました!
『英雄』を聴きながらナポレオンを鑑賞、オツな演出ですねぇ。
第3章 コードとモード
「記憶」「権力の顕示」のための肖像は、特権階級のみが制作できたものでした。
しかしルネサンス期以降、下の階層の人々にまでモデルの裾野は広がり、コード(決まった表現のしかた、ルール)を踏襲しつつ、モード(当時の流行)を反映したものになっていきました。
ここで満を持して登場するのが、この展覧会の顔というべき作品、通称「美しきナーニ」です。
当時の貴族の既婚女性・母親の理想像をこの作品に見ることができます。
この胸元が四角に開いたドレスは当時の流行で、既婚女性のみ着ることが許されていたそうです。
手を胸に当てるしぐさは、伴侶への忠誠を表したポーズなんだとか。
そしてどの角度から見ても目線が合うことがない、神秘的な表情。彼女の身分・立場にふさわしい慎み深さを表現しているのでしょうか。
視線ひとつ、しぐさひとつにも意味が込められている。
やはり今のわたしたちが撮る写真とはまったく違いますよね。
あと1作品、「エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像」も書いておきたい!
見てくださいこの可憐さ!
ちょっとふっくらした佐々木希みたいです。笑
この作者のエリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブランは、なんと女性の画家。
マリー・アントワネットの肖像画家として有名です。
当時の上流階級の女性たちにも引っ張りだこだったそうですが、こんなに魅力的に描いてくれるならその人気も納得ですよね。
ちなみにこの作品の隣に、「エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン」というタイトルの彫像もありましたよ(作者は別の人)。ご本人もすっごい美女でした。天は二物を与えちゃったパターンですね~。
エピローグ アルチンボルドー肖像の遊びと変容
最後に登場するのはアルチンボルトの「春」と「秋」の2作品。
こちらが「春」ですね。見たことある方も多いのでは?
肖像の中に春の花々が咲き誇る「春」、果物がごろごろの「秋」。
この2作品だけでも30分は観ていられるような、とても引き込まれる作品でした。
だまし絵みたいなポップさはあるけど、間違いなく国宝級の貴重な美術品ですからね。
この機会にぜひ観ておくべき作品です。
高橋一生さんの音声ガイドが素晴らしい!
以前の記事で宣言していたように、音声ガイドは迷いなく借りに行きました。笑
チケットとは別で、入口付近で貸し出しています。税込550円也。
これね、高橋一生さんのファンならずとも、借りたほうがよりルーヴル美術館展を楽しめると思います。
ルーヴル美術館展のオフィシャルサポーターの就任会見では、
「この声が眠くなると言われるので、(眠くならないように)ハキハキとガイドをしたいと思います」
とおっしゃっていましたが、たしかにいつもの話し方とはちょっと違っていた気がします!
高橋一生さんの低音ボイス、落ち着いた話し方は美術の解説にとても合っていて、すごく引き込まれて聴いてしまいました。
作品の解説のほかにも、高橋一生さんがパリのルーヴル美術館を訪問した話とか、自分の注目作品について語ってくれるボーナストラックというのもあって、そっちはいつものイメージの高橋一生さんという感じで語りかけてくるんですよね。
横で普通に話を聞いているみたいで、これはデレる!笑
というわけで、音声ガイドはぜひ。おすすめです!
「ルーヴル美術館展 肖像芸術ー人は人をどう表現してきたか」混雑状況・所要時間は?
7月半ば、平日15時過ぎの混雑状況
「ルーヴル美術館展」というネームバリューの割には、思ったより混んではなかったです。
でもわたしが訪れたのが学生さんの夏休み前だったので、今の時期はもう少し混んでいるのかな?
当日券はスムーズに買えましたし、入場列もなくスッと入れました。
「肖像芸術」という特殊なテーマですもんね。
それに今回は誰もが知ってる有名な巨匠の作品の展示も多くはないので、いまひとつ人気が出ていないのかもしれません。
7月14日から29日の間は、高校生の無料観覧期間(学生証の提示が必要)です。
それもあってか、平日の15時過ぎでしたが学生さんや若い方の割合が多い印象でした。
彫刻作品などはあらゆる方向から観られるようにゆったりスペースをとって展示されていたりして、人の波に流されながらの鑑賞という感じではなく、わりと自由に観て回ることができました。
ただ、音声ガイドがつく作品の前では解説が2~3分くらい流れますので、音声ガイドを着けてる人はそこで足が止まるんですよね。
音声ガイド渋滞はたびたび起きていました。
所要時間
最後のミュージアムショップも見て、わたしはだいたい1時間半くらいでした。
今回は100点を越える作品がきている大型展覧会で、それほど混雑もせず1点1点をじっくり鑑賞することができたので、けっこう時間がかかっちゃいましたね。
途中で足が疲れて座りたくなったくらい💨
休憩用のベンチはありましたが、どこもぎゅうぎゅうでした。笑
ルーヴル美術館展ミュージアムショップの人気グッズは?
16時半頃ミュージアムショップに着いたわけですが、わたしが行った日は「鎌倉紅谷」の看板商品「クルミッ子」のルーヴルコラボ商品「ルーヴルッ子」だけが売り切れていました。
1日の販売数が200、ひとり3個までの限定品です。
狙っている方は早めの時間に行ったほうがいいですね。
最後に
「肖像芸術」をテーマにした今回のルーヴル美術館展、わたしはとても楽しめました!
これだけの揃えは、さすが世界のルーヴル美術館。
「有名な作品が並ぶ豪華な展覧会」ではないかもしれないけど、肖像という芸術が古代から近代に至るまで幅広いジャンルで表現されてきたんだなぁということをしっかりと感じられました。
東京での会期は9月3日(月)まで。
その後は大阪で巡回展が始まります。
会期間際には絶対混みますので、気になる方はお早めに観に行ってくださいね!
それではまたー🎭