2年後に迫る東京オリンピック・パラリンピック。
今もうすでにメディアで報道されない日はないほど盛り上がってますよね。
開催期間は、オリンピックが2020年7月24日(金)~8月9日(日)、パラリンピックが2020年8月25日(火)~9月6日(日)。
一生に一度あるかないかの自国開催のオリンピックに、選手としては無理でも大会を支える裏方やスタッフとして関わってみたい!と思った方はたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか?
その裏方やスタッフになれるのが、ボランティア。
募集要項(案)が3月28日に発表されました。
ネット上ではすでに批判の声も多いようですが・・・どんなものなのか詳しく見ていきましょう!
目次
大会ボランティアと都市ボランティアの2種類
まずはですね、一口にボランティアと言っても、
大会ボランティアと都市ボランティアの2種類のボランティアがあります。
大会ボランティア
こっちが「オリンピックのボランティア」と聞いて、ぱっと想像する方だと思います。
運営:(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
活動場所:競技場、選手村などの大会関係施設
活動内容:観客サービス、競技運営サポート、メディアサポートなど。1日8時間程度。
募集人数:8万人
募集時期:2018年9月中旬~12月上旬、2019年に2次募集かける場合もあり。
<9/19追記>
2018年9月26日 13時から応募開始です。期間は12月上旬まで。
応募方法:東京2020公式ウェブサイト内の応募ページ
都市ボランティア
こちらは東京都が主体となって運営する、空港や駅や街で国内外からの旅行者・観光客等をおもてなしするボランティアですね。
運営:東京都
活動場所:空港・主要駅・観光地・競技会場の最寄駅周辺・ライブサイト
活動内容:国内外からの旅行者に対する観光・交通案内、競技会場までの観客の案内、ライブサイト運営のサポート。1日5時間程度。
募集人数:3万人
募集時期:2018年9月中旬~12月上旬
応募方法:ウェブ・FAX・郵送
応募単位:個人またはグループ(4名まで)での応募
東京オリンピックのボランティアの募集要項は?英語力は必須?
応募すれば誰でも活動できるのかな?と思ったら、なかなか高めのハードルが用意されていましたよ・・・
大会ボランティア 応募条件(案)
・2002年4月1日以前に生まれた方
・東京2020組織委員会が指定する全ての研修に参加可能な方
・活動期間中において、日本国籍を有し、又は日本に滞在する在留資格を有する方
・大会期間中及び大会期間前後を通じて、合計10日以上活動できる方
・東京2020大会の成功に向けて、情熱を持って最後まで役割を全うできる方
・お互い思いやる心を持ちチームとして活動したい方
<積極的に応募していただきたい方>
・東京2020 大会の大会ボランティアとして、活躍したいという熱意を持っている方
・オリンピック・パラリンピック競技に関する基本的な知識がある方
・スポーツボランティア経験をはじめとするボランティア経験がある方
・英語やその他言語のスキルを活かしたい方
<活動にあたり提供する物品等>
・ユニフォーム
・活動中の飲食
・ボランティア活動向けの保険※東京(会場が所在する都市)までの交通費及び宿泊は自己負担・自己手配となります
どうでしょう、この応募条件?
まず2020年4月1日の時点で18歳以上。高校生は不可ってことですね。
(高校生は小中学生と同様、ボランティア体験ができる特別枠が検討されているようです)
それはいいとして、こちら。
・東京2020組織委員会が指定する全ての研修に参加可能な方
・大会期間中及び大会期間前後を通じて、合計10日以上活動できる方
この研修、共通・役割別・会場別と少なくとも3回は出席しなくてはいけないんですよね。
で、大会準備期間と大会期間中を合わせて8時間拘束×10日間・・・か。
いや、これ働いている人はまず無理でしょ!
ううん、可能だとしても研修3回+80時間拘束は・・・ね。
躊躇しちゃいますよ。
1日くらいなら、って人ならけっこういそうなのにね。
組織委員会もやはり大学生・短大生をボランティアの主力と考えているようで、約800校もの大学・短大と「連携協定」を結び、オリンピックやパラリンピックについての講義を取り入れるなどしてボランティアに確実に学生を集めるよう働きかけているそう。
オリンピックのボランティア参加が単位として認められたり、「ボランティア参加証」を就活に役立てたてもらおうという計画もあるようです。
強制・圧力じゃないといいけれど。
参加した学生さんに少しでもメリットがあるといいね。
都市ボランティア 応募条件(案)
・2002年4月1日以前に生まれた方
・都が指定する全ての研修に参加可能な方
・日本国籍を有する方又は日本に居住する資格を有する方
・日本語による簡単な会話(意思疎通)ができる方
・活動期間中、延べ 5 日間以上、1 日 5 時間程度活動できる方
・東京2020大会の成功に向けて、情熱を持って最後まで役割を全うできる方
・お互い思いやる心を持ちチームとして活動したい方
<積極的に応募していただきたい方>
・東京2020 大会の大会ボランティアとして、活躍したいという熱意を持っている方
・ボランティア経験がある方
・東京の観光、交通案内等に関する知識やスキル・経験を活かしたい方
・防災・防犯・救命救急等に関する知識を活かしたい方
・英語やその他言語のスキルを活かしたい方
<活動にあたり提供する物品等>
・ユニフォーム
・活動中の飲食
・ボランティア活動向けの保険※東京までの交通費及び宿泊は自己負担・自己手配となります。
都市ボランティアは、こんな感じ。
大会ボランティア、都市ボランティアともに英語やその他言語のスキルは必須条件とはされていないので、英語ができなくても応募ができないということはなさそうです。
でも活動内容を見ると、話せる人材が求められていることは明らか。
特に大会ボランティアの「アテンド」部門や、都市ボランティアの活動では英語が必要な場面が多いでしょうから、英検やTOEICの点数などで選別されるのかもしれません。
それにしても、
※東京までの交通費及び宿泊は自己負担・自己手配となります。
って!えー!?
それは負担してくれてもいいんじゃないですか?
東京近郊だけでボランティアがほぼまかなえると考えているのかな。
<9月19日追記>
ボランティアに対し、交通費を補助する名目で1日あたり1000円のプリペイドカードを渡すことが決定したそうです。
せ、1000円・・・
時給じゃなくて、日当ですからね。
これが「予算の制約のなか最大限出せる金額」なんだって。本当でしょうか・・・?
”無料奉仕”という批判をかわすための措置、という気がしなくもないですね。
オリンピックの成功は願うけれど・・・
ボランティアの活動内容、拘束時間、条件、あらゆる面でボランティアの善意に頼りすぎ・求めすぎでは?っていう印象を持ちました。
この条件で本当に11万人ものボランティアが集まってくれるのかな?
この動向には今後も注目しておきたいと思います。