8月10日(金)の金曜ロードショーで「ハウルの動く城」が放送されます。
2004年に公開され、地上波での放送は今回でもう6度目になるこの作品ですが、1回サラッと見ただけだと「どういうこと??」となってしまう部分もある、ちょっと難解なストーリーだと思うんですよね。
今回は「ハウルの動く城」のちょっと分かりにくい部分、映画では曖昧にされている部分を集めて解説してみました。
盛大にネタバレしていますので、見てない方はぜひ放送を見てからお楽しみください!
目次
ハウルは美女の心臓を食べるという噂の真相は?
ハウルは非常に浮気性で、美女を次々と口説いては心を奪っていたのですが、
それをマルクルが「ハウルは女性の心を奪う」と言いたかったのを「女性の心臓を奪う」と言ったのが噂になってしまったようです。
ハウルはカルシファーとの契約のせいで心臓を失い、女性の心を奪うことでその穴を埋めているので浮気性になってしまっていました。
幼少期から捜し求めていたソフィーと出会い、心臓が戻ったことでソフィーだけを愛することができるようになりました。
なぜハウルは荒地の魔女に追われていたのか?
「汝、流れ星を捕らえし者、心無き者。お前の心臓は私のものだ」
という呪いの文字から、荒地の魔女はハウルの心臓を狙っていたということがわかります。
なぜハウルの心臓が欲しかったのでしょうか?
カルシファーの強い魔力が欲しかった?
でも心臓を奪ってしまうと、カルシファーもハウルも死んでしまうため手に入りません。
劇中にこんな会話がありますね。
ソフィー「なんで荒地の魔女に追われてるの?」
ハウル「おもしろそうな人だと思って僕から近づいたんだけど、逃げ出してしまったんだ。怖い人だった」
荒地の魔女、ハウルに好意を持っていたのではないでしょうか。
ハウルが声をかけて、魔女がその気になった途端に逃げ出したことを「心無き者」と責めているようにも読めます。
ソフィーに呪いをかけたのも、ハウルに優しくされていたことを見せつけられた嫉妬からだったのではないでしょうか。
ハウルはなぜ、カルシファーと契約したのか?
物語終盤の、ソフィーが過去の世界で少年時代のハウルと出会うシーンにありましたね。
カルシファーの正体は、星の子。
流れ星が地表に落ちると、燃え尽きてなくなってしまいます。
それを不憫に思ったハウルが、星の子を死なせないように助けてしまったというのが契約の真相です。
契約の内容は、「ハウルの心臓を星の子に与える代わりに、星の子の力を得る」というものでした。
星の子はハウルの心臓を得たことで悪魔・カルシファーとなって強力な魔力を持ち、ハウルもまたカルシファーの魔力を得てパワーアップ。
ただし、一心同体となったことで片方が死ねばもう一方も死んでしまいます。
ハウルにこき使われることに嫌気が差していたカルシファーは、契約を解除したがっていたのでソフィーに契約の秘密を解くようお願いしたんですね。
「うましかて」の意味とは?
ハウルとソフィーとマルクルが朝食を食べるときのセリフです。
うましかて。馬・鹿・・手?ではありません。「美味し(旨し)糧」です。
「糧(かて)」は食べ物、食料のことですので、「美味しい食べ物をお与えくださりありがとうございます」=「いただきます」という意味で使っている言葉ですね。
ソフィーが年をとったり若返ったりするのはなぜ?
劇中、ソフィーが老婆になったにもかかわらず、突然若返るシーンがいくつか出てきました。
実は、荒地の魔女がソフィーにかけた呪いは、「年をとる」ではなく「内面の年齢が容姿に表れる」という呪いだったんです。
つまり、ソフィーの心の有り様が容姿に表れていたんです。
物語冒頭のソフィーは、地味な自分の容姿に劣等感があり、帽子屋を継ぎたいかどうかを自分の意思で決めることも放棄している少女です。
呪いで老人の姿になっても、若返ろうとする素振りもありません。
それどころか、美醜で判断されない老人の姿に居心地の良さすら感じています。
ソフィーは少女でありながら、心はすでに老いていたんですね。
ストーリーが進み、ハウルに恋心を抱いたり、彼を助けるために自分から行動するようになると、どんどん若返っていきます。
最初は腰も曲がり痛そうに歩いていたのに、杖がいらなくなって、曲がっていたはずの腰がいつしかまっすぐになって。
ただ、老人であろうとするソフィーの心もなかなか頑固です。
ハウルが自分のために部屋を用意してプレゼントをくれたり、「ソフィはきれいだよ」という言葉をくれたとき、一瞬は少女の心と姿を取り戻すのですが、すぐ老人の姿に戻ってしまいます。
「私なんかがハウルに愛されるはずがない」「あくまでも自分は掃除婦の老婆」というネガティブな思い込みのせいで、ハウルの言葉をまっすぐに受け止められないんですね。
物語後半の謎は、②に続きます!